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明王院(みょうおういん)国宝の本堂・五重塔 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陽・山陰 第八十番

東洋のポンペイ”と隣りあった古寺

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 愛宕山中腹近くにあり、眼下に草戸千軒町遺跡を見渡す明王院は、中道山円光寺明王院と称し、国宝の「本堂」「五重塔」を有する真言宗大覚寺派の古刹として知られています。もとは西光山理智院常福寺といい、807年弘法大師の開基と伝えられ、その後、鎌倉時代末期に本堂再建、室町時代前期に五重塔を建立など、"中世・西国屈指の寺院"になります。

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 本堂は入母屋造、本瓦葺きで、間口、奥行とも5間で、鎌倉時代の1321年の建立です、堂内は手前の梁間2間分を外陣、奥の梁間3間分を内陣とし、両者の間は結界で厳重に仕切られています。

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 五重塔は南北朝時代1348年に建立された、初層内部の四天柱、板壁などには極彩色の仏画や文様が描かれ、相輪の刻銘には、この塔が当時の繁栄した草戸千軒の経済力を背景に、ささやかな民衆の浄財を募って建立されたことが明記されています。

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撮影:2017.11.20

広島県福山市草戸町
JR山陽本線、福山駅

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浄土寺(じょうどじ)尾道にある国宝の寺 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陽・山陰 第七十九番

海の見える寺に息づく共生のこころ

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 山門を入ると正面に本堂、その右手に阿弥陀堂と多宝塔が建ち、これらの中世仏教建築群に対し、境内西側には方丈、庫裏及び客殿など、僧の生活空間です。近世以前の寺院景観を良好に残す境内地は、本堂とともに国宝に指定されています。

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 境内の西に沈む夕日は浄土の世界を想わせるかの如く光り輝きます。

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撮影:2017.11.20

広島県尾道市東久保町
JR山陽本線、尾道駅

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阿弥陀寺(あみだじ)奈良東大寺別院 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陽・山陰 第七十八番

東大寺を再建した老僧のパワー

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 1180年に焼失した奈良東大寺復興の大勧進職を務めた俊乗房重源上人により、阿弥陀寺は東大寺の周防別所として、1187年に建立されました。

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 東大寺再建のための木材伐り出しに従事する人夫たちのため、重源が設けたと言われる石風呂が文化財として残って、後代に造られたもうひとつの石風呂があり、毎月第1日曜日には石風呂が焚かれるため、一般入山者も有料で入浴することがでます。

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 中門は1871年に東大寺所管の惣門を移設したもので、本堂は1731年に右田毛利家の毛利広政によって再建されています。

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撮影:2017.11.21

山口県防府市大字牟礼上坂本
JR山陽本線、防府駅

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瑠璃光寺(るりこうじ)国宝の五重塔 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陰・山陽 第七十七番

嵐の翌日に見た五重塔の美しさ

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 国宝の五重塔を中心とし、境内は香山公園と呼ばれ大内氏全盛期の大内文化を伝え、「西の京・山口」を代表する国の史跡に指定されています。

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 室町時代 1442年頃の建立で、五重塔としては日本で10番目に古く、京都の醍醐寺・奈良の法隆寺のものとならび日本三名塔の一つに数えられることもあります。高さ 31.2m で屋根は檜皮葺で、二層にのみ回縁がついているのが特徴です。

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撮影:2017.11.21

山口県山口市香山町
JR新山口駅

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東光寺(とうこうじ)毛利家が眠る墓所 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陽・山陰 第七十六番

萩の町にたたずむ中国風の菩提寺

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 山口県の萩は、1604年に毛利輝元が萩城を建てて以来城下町として栄え、江戸時代末期には松下村塾が開かれた場所で、東光寺は1691年に毛利吉就により建てられた黄檗宗の寺で、敷地の奥には萩を治めた毛利家が眠る墓所があります。

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総門、三門、鐘楼、大雄宝殿はいずれも国の重要文化財に指定されて、名刹の面影を残し、本堂裏の毛利家墓所は国指定の史跡で、吉就から11代までの奇数代の藩主とその夫人及び一族、関係者の墓があり、墓前には藩士が寄進した500余基の石灯籠が立ち並びます。

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撮影:2002.11.02

山口県萩市椿東椎原
JR山陰本線、東萩駅

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永明寺(ようめいじ)津和野の小寺 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陽・山陰 第七十五番

津和野の歴史を物語る小寺の静けさ

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 深い木々に囲まれたなだらかな坂を上り、門をくぐれば、目の前に大きな境内が広がります。ここは吉見、坂崎、亀井氏といった歴代の津和野城主の菩提寺で、今ではめったに見られない茅葺き屋根に息をのむ美しさです。

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 茅葺き屋根の本堂は1779年、庫裡(くり)・鐘楼(しゅうろう)などの建物は1859年に再建されたもので、寺宝館には、仏像や古文書が展示されています。

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 境内地は、国史跡「津和野藩主亀井家墓所」の一部として指定されており、亀井家の分家である高崎亀井家墓地や、家老多胡家墓地があります。その他に初代津和野藩主であった、坂崎直盛の墓や、明冶の文豪、森鴎外の墓もあります。

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撮影:2017.11.21

島根県鹿足郡津和野町
JR山口線、津和野駅

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一畑薬師(いちばたやくし)「目」のお薬師様 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陽・山陰 第七十四番

”目のお薬師さま”に詣でるひとびと

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 出雲神話の国引きの舞台を一望できる島根半島の中心部、標高200メートルの一畑山上にあり、「目のお薬師さま」として、古くから全国的に知られ、1300段余りの石段(参道)でも有名です。

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創開は平安時代894年、日本海の赤浦海中から漁師の与市(よいち)が引き上げた薬師如来をご本尊としておまつりしたのが始まりで、与市 の母親の目が開いたり、戦国の世に小さな幼児が助かったことから、「目のやくし」「子供の無事成長の仏さま」として広く信仰されています。

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 境内には「薬師瑠璃光如来」を本尊とするお堂をはじめ、八万四千の仏様が奉納されている「八万四千仏堂」、百八基の燈籠がならぶ参道などがあります。

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島根県出雲市小境町
JR松江駅から一畑電鉄一畑口駅

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清水寺(きよみずでら)安来 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陽・山陰 第七十三番

山陰の「キョミズさん」に幟がはためく

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 587年に開かれた天台宗の古刹で、十一面観音様をご本尊に厄払いの寺として慕われています。鬱蒼と茂る杉林を登ると瑞光山の山腹に清水寺はあり、5万坪余りの境内には、山陰唯一の三重塔など、県や国の重要文化財も数多く、荘厳な空気に包まれています。

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 三重塔は、1859年に信徒の手により建立されています。

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撮影:2010.09.21

島根県安来市清水町
JR山陰本線、安来駅

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大山寺(だいせんじ)鳥取 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陽・山陰 第七十二番

霊山を仰ぎ、神仏を信仰する寺

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 本堂は天台宗の古刹で、大山寺の開創は西暦718年金蓮上人が地蔵菩薩をお祀りし、修験道場として開かれましたが、近世、封建時代には江戸幕府より3000余石寺領をゆるされ、別格本山としてその隆盛を極めました。現在の本堂は、1928年の火災で焼失したものを1951年に再建したものです。

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 大山寺阿弥陀堂(だいせんじあみだどう)は、大山寺に現存する寺院の中では最古の建築物で、平安初期に創建、藤原期に建立され、1529年に山津波で倒壊。その後1552年、現在の場所に再建されたといわれる室町末期の建造物です。本尊は、1131年に大仏師良円によって造営されたと言われる丈六(2.79メートル)の木造阿弥陀如来で、その両脇には観音と勢至の両菩薩も安置されています。

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 大神山神社奥宮は、大山寺から石畳の参道をあがったところにあり、社殿は全国最大級の壮大な権現造り。もともとは僧が修験のために大山に登り、その道場として簡単な遥拝所を設けるようになったのが始まりとされていますが、創建・開創は出雲風土記、延喜式などに記載あるものの不明とされています。

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撮影:20100924

鳥取県西伯郡大山町大山
JR米子駅

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三仏寺(さんぶつじ)国宝 投入堂 [百寺巡礼(五木 寛之)]

山陽・山陰 第七十一番

 役行者が建てた断崖の堂宇をめざして

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 役行者が開いたという天台宗の古刹で、奥の院「投入堂」は国宝に指定されており、断崖に立つその姿は壮観です。投入堂は、軽快な屋根の反り、堂を支える長短さまざまな柱の構成など、建築美の観点からも優れた作品で、国宝に指定されています。険しい行者道を登った先の、文字通り絶壁の中に建ち、参拝者は堂を斜め上方に見上げる地点まで行くことが出来ます。

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 文殊堂は室町時代後期の作で、奥の院への道筋の山中に建ち、従来桃山時代の建築とされていましたが、新たに1567年の墨書が堂内から発見されたことから、建築年代は若干上がるものと思われています。

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 観音堂は1648年に鳥取藩主池田光仲(徳川家康の曾孫)により再建されたもので、建物の大部分が洞窟に収まった配置で、前面1間分が崖地にせり出し崖造風になっています。参道は観音堂の外壁と岸壁との間を通過しますが、幅は人一人が通れる程に狭く「胎内めぐり」や「胎内くぐり」を彷彿する空間構成になっていて、三佛寺の奥の院である投入堂を迎えるにあたり、胎内を潜る事で新たに生まれ変わり肉体と魂を浄化する役割を持っていたと思われます。

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 元結掛堂は基礎石の上に直接柱を乗せ、正面には向拝を設け春日造風の建物です。

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撮影:2010.09.20

鳥取県西伯郡大山町大山
JR米子駅

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