高徳院(こうとくいん)鎌倉大仏 [百寺巡礼(五木 寛之)]
関東・信州 第四十八番
多くの謎と武士の祈りを秘めた大仏
鎌倉大仏として名高い高徳院の本尊 国宝銅造阿弥陀如来坐像は、高さは11.31m(台座を含めると13.35m)、重量約121tあり、現在の金鋼仏は1252年に鋳造が始められ、完成当時は全身に金箔が施され、大仏殿内に安置されていましたが、大仏殿は台風や大津波のため倒壊し、室町時代の末までには、今の「露坐の大仏」になりました。
角張った平面的な面相、猫背気味の姿勢、体部に比して頭部が大きい点など、鎌倉期に流行した「宋風」の仏像の特色を示しており、鎌倉時代を代表する仏教彫刻として国宝に指定されています。
鉛の比率が高いことから、像表面に鍍金(金メッキ)を行うことは困難であったと推定され、造像当初は表面に金箔を貼っていたとされており、現在でも右頬に金箔の跡が確認できます。
後世の補修が甚大な奈良・東大寺の大仏と比べ、ほぼ造像当初の姿を保っている点も貴重である。浄土教信仰に基づく阿弥陀像が多く来迎印(右手を挙げ、左手を下げる)を結ぶのに対し、本像は膝上で両手を組む定印(じょういん)を結んでおり、真言ないし天台系の信仰に基づく阿弥陀像であることがわかります。
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撮影:2010.07.03
神奈川県鎌倉市長谷
江ノ電、長谷駅
江ノ電、長谷駅
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