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久遠寺(くおんじ)山梨 [百寺巡礼(五木 寛之)]

関東・信州 第四十九番

 情にあつく、さびしがり屋の日蓮像

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 鎌倉時代(1274年)に日蓮聖人が身延山へ入り「法華経」の読誦と門弟たちへの教導に終始した日蓮宗の総本山で、しだれ桜は全国的にも有名です。伽藍は明治8年の大火で焼失し、現在立ち並ぶ堂宇は再建されたものが多いそうです。

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 本堂は1985年落慶、本尊は日蓮聖人真筆大曼荼羅本尊を木造形式にしたいわゆる立体曼荼羅で、釈迦如来像・多宝如来像・四菩薩像・不動明王像・愛染明王像・四天王像・普賢菩薩像・文殊師利菩薩像・日蓮大聖人坐像などからなっています。作者は日蓮大聖人坐像を除き慶派の流れをくむ江里宗平・江里康慧親子です。

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 現在の五重塔は3代目で2008年竣工で2009年に落慶法要が行われました。初代の塔は1619年加賀前田利家の側室寿福院の建立でしたが1829年に焼失、2代目の塔は1875年焼失。

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 有名な久遠寺の枝垂れ桜は毎年3月下旬~4月上旬にかけ境内に樹齢400年ともいわれる枝垂桜と久遠寺周辺数百本の桜が咲き乱れます。

画像はフォトムービーでもお楽しみください・・・・


撮影:2012.04.14

山梨県南巨摩郡身延町
JR身延線、身延駅

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高徳院(こうとくいん)鎌倉大仏 [百寺巡礼(五木 寛之)]

関東・信州 第四十八番

 多くの謎と武士の祈りを秘めた大仏

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 鎌倉大仏として名高い高徳院の本尊 国宝銅造阿弥陀如来坐像は、高さは11.31m(台座を含めると13.35m)、重量約121tあり、現在の金鋼仏は1252年に鋳造が始められ、完成当時は全身に金箔が施され、大仏殿内に安置されていましたが、大仏殿は台風や大津波のため倒壊し、室町時代の末までには、今の「露坐の大仏」になりました。

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 角張った平面的な面相、猫背気味の姿勢、体部に比して頭部が大きい点など、鎌倉期に流行した「宋風」の仏像の特色を示しており、鎌倉時代を代表する仏教彫刻として国宝に指定されています。

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 鉛の比率が高いことから、像表面に鍍金(金メッキ)を行うことは困難であったと推定され、造像当初は表面に金箔を貼っていたとされており、現在でも右頬に金箔の跡が確認できます。

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 後世の補修が甚大な奈良・東大寺の大仏と比べ、ほぼ造像当初の姿を保っている点も貴重である。浄土教信仰に基づく阿弥陀像が多く来迎印(右手を挙げ、左手を下げる)を結ぶのに対し、本像は膝上で両手を組む定印(じょういん)を結んでおり、真言ないし天台系の信仰に基づく阿弥陀像であることがわかります。

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撮影:2010.07.03

神奈川県鎌倉市長谷
江ノ電、長谷駅

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円覚寺(えんがくじ)鎌倉 [百寺巡礼(五木 寛之)]

関東・信州 第四十七番

 明治の文学者たちを癒した寺

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 鎌倉時代の1282年に、鎌倉幕府執権・北条時宗が元寇の戦没者追悼のため中国僧の無学祖元を招いて創建ました。北条得宗の祈祷寺となるなど、鎌倉時代を通じて北条氏に保護されます。三門(山門)は1785年、大用国師誠拙周樗が再建したものと言われ、「円覚興聖禅寺」の額字は伏見上皇の勅筆とされ、楼上には十一面観音、十六羅漢像などを安置しています。

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 仏殿は関東大震災で倒壊し、 1964年再建の鉄筋コンクリート造ですが、1573年の仏殿指図に基づいて建てられ、堂内には本尊の宝冠釈迦如来像や梵天・帝釈天像などを安置し、天井画の「白龍図」は前田青邨の監修で日本画家守屋多々志が描いたものです。

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 国宝の梵鐘は、仏殿東方の石段を上った小高い場所にある鐘楼に架かり、寺では「洪鐘」と書いて「おおがね」と読ませている。北条貞時の寄進によるもので、1301年鋳物師物部国光の制作で高さ2.6メートルを超える大作です。

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撮影:2014.10.16・2010.07.03

神奈川県鎌倉市山ノ内
JR横須賀線、北鎌倉駅

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建長寺(けんちょうじ)鎌倉 [百寺巡礼(五木 寛之)]

関東・信州 第四十六番

 中国層が武士に伝えた禅

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 日本では初めての禅寺で、1253年に座禅を修行する道場として開かれました。禅宗の中でも臨済宗で、この建長寺は臨済宗の建長寺派の総本山となっています。

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 山門(三門)は1775年の上棟で、棟梁は建長寺大工の河内長兵衛で下層はすべて吹き放しで、上層内部には宝冠釈迦如来像を中心に十六羅漢像、五百羅漢像(銅造)などが安置されていますが非公開です。

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 仏殿は芝(東京都港区)の増上寺にあった、徳川秀忠夫人崇源院の霊屋(たまや)を建て替えに際し、譲渡されたもので、1647年に建長寺に移築されたものです。
もともと霊廟建築として造られたものであるので、屋根や天井などの形式が一般的な禅宗の仏殿とは異なり、屋根は入母屋造でなく寄棟造で、堂内には本尊の地蔵菩薩坐像(室町時代の作、像高2.4メートル)、もとこの地にあった心平寺の旧本尊地蔵菩薩坐像、千体地蔵菩薩立像、千手観音坐像、伽藍神像などを安置しています。

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 法堂は禅宗以外の寺院の「講堂」に相当する建物で、入母屋造、方三間、裳階(もこし)付き、銅板葺きで、1814年の上棟、1825年の竣工、内部には身舎・裳階の境に柱が立つのみで間仕切りはなく、堂内中央奥に高さ2メートルを超える法座を設け、その奥に本尊千手観音坐像を安置し、天井の雲龍図は、鏡天井に直接描かれたものではなく、別に制作された絵を掲げたもので、鎌倉最大級の木造建築で2005年に重要文化財に指定されています。

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 唐門は重要文化財で方丈入口の門や仏殿と同じく、芝の徳川秀忠夫人崇源院霊屋から移築されたものです。

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撮影:2010.02.06・2014.10.30

神奈川県鎌倉市山ノ内
JR横須賀線北鎌倉駅

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成田山新勝寺(なりたさん しんしょうじ) [百寺巡礼(五木 寛之)]

関東・信州 第四十五番

 聖と俗が混ざりあう庶民信仰

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 新勝寺は成田のお不動様として親しまれ、歌舞伎の成田屋・市川團十郎丈、海老蔵丈など多くの人々が江戸の昔から参詣する霊場です。寛朝大僧正が940年に開山した真言宗智山派の大本山で、本尊の不動明王は、平安時代、嶬峨天皇の勅願により弘法大師が一刀三礼、敬慮な祈りを込めて彫り開眼しました。

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 仁王門は国の重要文化財で参道から大本堂へ至る急な階段の途中に建つ入母屋造の八脚門で、1830年の建立です。

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 三重塔は、1712年の建立で国の重要文化財、大本堂の手前右手に建つ高さ25mの中規模の塔、軒裏には垂木を用いず、雲文を刻んだ板で軒を支える板軒とし、初層は各面の中央を扉とし、その両脇の柱間には十六羅漢の彫刻が施こされ、柱、長押、貫などにも地紋彫りを施すなど、近世建築らしく装飾性豊かな塔です。

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撮影:2010.03.06

千葉県成田市成田
JR成田駅/京成成田駅

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